岩崎大貴 ブログ

カテゴリ:クワイアと発声( 14 )




ある歌手のキンキンした声質

あるシンガーのキンキンした声質について

■某クワイアのあるシンガーの声質が前から気になっていた。
安定した、かつエッジに効いたソプラノボイスだが、いわゆるキンキン声だった。
本人もその扱いには時折苦労している様子を見せていた。高音に飛べば、すぐに鳴りだすからだ。
こういう場合、だいたいが「喉頭の位置が過度に高い」ことが原因になるはずなのだが、このシンガーの場合、ルックス的にも、音色的にもそれとは少し違う。
なんでだろう、と妻に無駄に相談をしていた。(妻は興味なさそうだった)


■ところが昨日ふとした瞬間にあることに気づいた。
そのシンガーと面と向かって話している時だった。
話し声が少し鼻にかかっていたのだ。
「鼻声って言われることある?」
「言われない、でも録音した自分の声を聞くとそう思う」

よくよく顔も見てみる。
あーわかってきた。歌唱時、喉頭の位置は安定しているから歌声は素晴らしいけれども、もともと口腔の体積が小さいのだ。
彼女の顔は奇麗な逆三角形型で、顎が通常よりも少し小さい。
口腔の体積をもつことが出来ないため、話すときは鼻腔に響きが移り、鼻声になる。歌うときは鼻声とまではいかないが、偏った響きになる。
あーーー、、という感じ。

加えて、彼女の歌ってきた音楽も影響しているだろう。
民謡を多く歌ってきたという彼女は、地声が非常に強い。
その分、若干ではあるが、声帯の緊張が見られる。
このこともキンキン声に加担しているのではないか。


■対策として何が出来るか。

1喉頭を通常のシンガーよりもほんの少し、下げめにキープする子音と母音を使うエクササイズ
2舌の位置の確認 口腔をぶったぎる場所に位置していないか
3声帯の緊張を解く、ブレスを少し強めに流す子音を使うエクササイズ
4高音発声時でももしかしたら声帯がやや厚すぎなのかもしれない。ヘッドにリリースをしむけるエクササイズ
5歌唱時、母音を調整

かなとぼんやり。
もともと喉頭の位置が高いわけではないシンガーに1をするのは、彼女の個性を殺す危険性も孕んでいるのではないかとも思う。
喉頭の位置を変えず、口腔の体積を稼ぐにはどうしたらいいものか。

あ、軟甲蓋を上に持ち上げればいいかも。
ーと思ったけどあの発声法は迷信なんじゃないかと疑っているところだった。

またいつかに続く。
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by yataro1030 | 2013-06-04 09:02 | クワイアと発声

指導者としての態度

Always be prepared to have your
strongest held beliefs proven untrue.

あなたの信条が嘘であったときのことを常に準備していなさい。


指導者として大事な言葉に思えました。
人は何か一つ、革命的に思えるメソッドを見つけたら、自慢げに、雄弁に、他に対して批判的になり得るけれど、
やっぱりちょっと違うね。
その人の成長はきっとそこから思うようには伸びないでしょう。

「あーよかった見つかった」という安堵感は理解出来るけれども、そこにあぐらかいて居座るのは指導者として決して尊敬しずらい。

がむしゃらで、一人で勇敢な旅に出れる人だけが高みにたどり着けるのかも。
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by yataro1030 | 2013-06-02 18:49 | クワイアと発声

努力を気づかせないシンガー

ボーカルトレーナー、Guy Babusek氏の記述があまりに素敵だったので記す。

.......................................


シンガーは聴衆にとって、努力を気づかせない、まるで無意識でその歌唱が出来ているかのように思わせなくてはならない。

なぜなら聴衆は音楽にそしてその歌詞に集中したいからだ。

そして以下、パヴァロッティが言ったという言葉。

One day without practice and you notice; two days without practice and your friends notice; three days without practice and the audience notices

練習を一日しなければ、あなたがそれに気づく。二日であなたの友人が気づく。そして三日目には聴衆が気づく。
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by yataro1030 | 2013-05-28 12:00 | クワイアと発声

クワイアリハ 腹式呼吸に対する考察

腹式呼吸について思うこと。

まず、必要か、否か。

★必要だと考える場合(僕はこっちだ。)
個人のボイストレーニング、もちろんクワイア指導においても同じエクササイズを僕は教えている。
名付けて8×8×8ブレスエクササイズ。とは言っても僕が考案したものではないが、、

1、BPM60ほどでメトロノームをならす。
2、8拍、ブレスを最小限の量で均等に出して行く。「S」の子音を使うとよい。
3、次の8拍、ブレスを意識的に出す。ブレスの量が増えてもよいだろう。均等に出して行く。
4、さらに最後の8拍でより意識的に出す。出し切る。やはり均等。

自分が考案したものではないエクササイズを書く理由は、「狙い」が定まっているかどうかが重要だからだ。

肺の性質は、風船に例えることができる。

風船はパンパンに膨らますと、穴をあければもの凄い勢いで空気が逃げて行く。
肺も同様だ。パンパンにすれば、声帯という蓋を開けてあげればあっというまにブレスは逃げて行く。
これが問題となる。ブレスはそう簡単に逃がしてはいけない。一音を鳴らすのにそれほどのブレスはいらない、特に高音部だ。声枯れの原因の多くは声帯に対してtoo muchなブレスをあてることだ。
吸気をしたあと、ほっとけば勢いよく逃げていくブレスを引き止める意識が必要となる。これが上記の「2」にあたる。

次に、風船がどんどんしおれていく。そうすると残った空気は、風船をおしつぶさないと、風船の中から出て行かない。「意識的に」おさなくてはならない。これが「3」、「4」にあたる。
いずれの段階においても、均等にブレスを声帯に押し流していくことが重要だ。
どこかの過程で「S」の子音が極端に大きくなったり、痩せてしまってはいけない。

Sの子音を使う理由は、程よくブレスの流れにストップをかけてくれるからだ。「F」は吹かせすぎてしまう。


★必要ではないと考える場合

某有名アメリカ人ボイストレーナーが「腹式呼吸なんていらない、普通に呼吸が出来れば問題ない」と言ったかどうかが気になっているのだが、彼の著には明確に腹式呼吸に関する図、解説が書かれてある。「腹式呼吸」と銘打たれているかが記憶が定かではないが、肺が下方に広がり、横隔膜を押し出す、まぎれもなく腹式呼吸だ。

彼の意図を汲み取ろうとすると、日本人とアメリカ人の基本的な呼吸が違うのではないかとぼんやり思う。彼の弟子にあたるスーパースターたちは当然ながら素晴らしい声だ。しかしながら彼の弟子にあたるであろう日本人の中に、弱く、ヘナっとした、重心が上半身に持ち上がり、喉頭付近にストレスがかかるような発声をしているシンガーを見つけることが出来る。声帯レベルの問題ではなくて、どうにも僕にはブレスコントロールの問題に思えてならない。均等にブレスを声帯に送り続けるという作業が出来ていないのではないか。

「腹式呼吸なんて、、」というボイストレーナーも日本人に見られるが、本当だろうかと疑ってしまう。それはアメリカ人にのみ通用する話ではないのか。安易に日本人のあなたが口にしていい言葉だろうか。日本語と英語の発音の差は勉強すればするほど、大きい。
アメリカ人は普段から腹式呼吸だ、肺をフルに活用できている、そんな話を聞いたことがある。
それが本当だったなら良いのだが、まだ十分に信頼できるソースを見つけられていない。
故、この話に関する考察はまだ続く。
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by yataro1030 | 2013-05-24 11:52 | クワイアと発声

岩崎大貴(ひろき) ボーカル、クワイアディレクター岩崎大貴の日々の報告。
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