岩崎大貴 ブログ

ドビュッシーと聞いて

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ヒース

リーマン時代、音楽系企業に勤めていたもので、周りには音大生が多かった。
女性社員のおそらく9割以上がピアノを弾けたはず。

ある時、店舗の演奏スペースで同期の女が、ドビュッシーを演奏していた。

普段クラシックなんて聴かない僕だが、その曲には妙に惹かれた。

旋律が綺麗だ。
和声も何だか、前衛的で新しい、でも薄っぺらくない。ドビュッシーらしいっていうのか。


それから、演奏をしていた彼女。

なんと楽しそうに弾くことか。

子供のような屈託のない微笑みで、ピアノに向かう。
指を鍵盤に這わせる。一音一音のがさず、ときめいている。

きっと今、彼女は制服を纏っていることを忘れている。仕事中ということを忘れている。自動演奏ピアノの特別セール中なんてこと、頭の中にはない。

ピアノと、そして音楽と会話を純粋に楽しんでいる。


普段は、ツンケンとポーカーフェイスで気取っていた彼女だったから、
そのギャップに驚き、まあ、なんというか、恋をした。

演奏が終わってその後、
彼女にその曲のことを聞いた。


「素敵な曲だね。誰の曲?」

「ドビュッシーよ。『ヒースの茂る荒地』」

「へえ。すごく好きだよ」

「わたしも。大事な曲なの。大学卒業して、随分ピアノ弾いてないけど、この曲だけは忘れない」


脳内に入念にメモをとり、
家に帰りネットでタイトルを検索した。

ドビュッシーのいつの曲なのか、
有名な曲なのか、
ヒースってどんな花なのか、

まるで彼女自身のことを調べるかのように、その曲を調べた。

youtube で曲を聴けば、やはり彼女のことをぼんやりと思い出す。

音楽と人がセットになることなんて、よくあることだと思う。

スピッツといえばチェリー、
木島タローと言えばStarPeople,
イワミといえばレッツゲーダンス、

でも僕にとって、
彼女とヒースの茂る荒地は特別な関係に思えた。
どんな対よりも愛し合っているように思えた。(単純に恋の力か)


、、、とまあ、なんでこんな話をしたかといえば、
また別の友人がドビュッシーという単語を口にしていたから。


恋がどうなったかそれはさておき。

そんなわけで、ドビュッシーと聞いて、思い出したのは、「月の光」なんかではない。

ヒースの茂る荒れ地、そして彼女のことだ。
寝る前に聴こうー。
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by yataro1030 | 2012-04-12 19:05 | 日記

岩崎大貴(ひろき) ボーカル、クワイアディレクター岩崎大貴の日々の報告。
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